歴史の名言に学ぶ 兵法三十六計(勝戦計:囲魏救趙)

兵法三十六計』の第2弾です。
今回は『囲魏救趙』を見てみようと思います。
訓読では『いぎきゅうちょう』となります。
これも勝戦計(こちらが主導権を握っている場合の定石)の一つらしいです。


ちなみに計の種類として、勝戦計を含めて6計があるそうです。

  • 勝戦計(主導権を握っている場合)
  • 敵戦計(優勢の場合)
  • 攻戦計(相手が一筋縄でない場合)
  • 混戦計(相手がかなり手ごわい場合)
  • 併戦計(同盟国間で優位に立つための策)
  • 敗戦計(自国がきわめて劣勢の場合)



囲魏救趙は、なんとなくですが文字からおおよその状況が想像できそうですよね。
趙を救うために魏を囲むといった感じでしょうか?


話は少し脱線するのですが、私は…というか私らの世代で中国の漫画といえば、横山光輝さんの『三国志』を思い浮かべる方が多いのではないのでしょうか。
多分に漏れず、私もその大多数の中の一人でありまして全60巻の大作を何度も何度も読み返した記憶があります。
担任の先生がさほど厳しくないクラスでは、後ろの棚に本が並んでいたという話も聞いたことがあります。
(それを皆が暗黙の不文律のもと(読んだら元に戻すとか、持って帰らないとか…)みんながルールを守って静かに読むという、中高生のカオスな環境下でそこだけなんだか不思議な光景でした)
当時、それほど人気漫画だったのです。


そしてその横山さんは、三国志の他に『史記』という漫画も描いています。
司馬遷という人が書いた歴史書の漫画化です。
司馬遷は時の帝である武帝の怒りを買い宮刑(男性器を切除される)に処されるのですが、横山さんの史記はそのあたりもあの独特な絵でリアルに描写されており、未成年者ながらに『こんな刑があるのか…(麻酔もない時代なのに自分なら絶対耐えられないだろう…)』などと思ったものです。


横山さんの史記は全15巻(背表紙が金色でありまして、カバーの紙質も少し良かった記憶があります)出ておりまして、何巻目かは忘れましたが、今回の囲魏救趙に出てくる登場人物である『孫臏(そんぴん)』が出てきます。
孫臏は私も漫画で読んでよく覚えておりました。
孫臏は知力の高い軍師として描かれておりましたが同門で兵法を学んだ知人に欺かれ、両足を切断されたうえ額に入れ墨を入れられるという屈辱を受けます。


さて、その孫臏と田忌(斉所属)が、魏と交戦中である同盟国の趙(都を包囲され敗色濃厚)を救うために救援に向かうのですが、そこで天才軍師の孫臏は田忌将軍に秘策を授けます。
包囲された趙の都に群がる敵兵を蹴散らすという事はせず、あえて魏の都を包囲したのです。


焦った魏は趙から急いで撤退します。
孫臏(斉軍)は、都に引き返している行軍に疲弊した魏軍と戦い、そして破ります。
孫臏は、見事趙を救ったのです。


困っている仲間を救うという場面を想像した時、救うという気持ちが強ければ強いほど相手の圧力が直接かかっている場所に体や意識が行きがちですが、圧力を打ち消すことができるより良い方法は相手の虚をつき弱点を攻める方がたやすいということを教えてくれているように感じます。


どんなに強大でも、一つの綻びから甚大な被害を被ることがあります。
そして大きければ大きいほど綻びがでる場所は多くなるのです。
どの綻びをつつけば大きな被害を与えられるかという分析・判断力は必要になるのでしょうね。

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