専任技術者の指定学科について

こんにちは。
建設業の許可を取得する場合、営業所に専任の技術者を置く必要があります。

営業所の専任技術者になるための要件は、3つあります。
●1つが、いわゆる国家資格などの資格者であること。
●もう1つが、取得しようとしている業種の実務経験が10年以上あること。
●そして、もう1つが、指定学科を卒業していて、かつ実務経験が3年~5年以上あること。
この3つのいずれかの要件を満たす必要があります。

今回は、この中の指定学科について少し解説します。
指定学科+実務経験
建設業の許可を取得する場合の専任技術者としての要件を満たす場合、よくあるパターンとしては、国家資格者か、もしくは何も資格がなく10年の実務経験者かというのが多くあります。
ですが、10年実務というのは、なかなか長い期間になりますので、ハードルが高くなります。

特に複数の業種を欲している業者様の場合、1業種で1人の技術者が10年の実務経験を必要としますので、2業種となると1人で20年か、もしくは10年の実務経験者を2人用意する必要があります。
法人歴が長く、雇用者も多い企業であれば、該当者が見つかる場合もありますが、法人歴が浅く、雇用者が少ない企業となると、10年の実務経験は高い壁となることがよくあります。
そこで1番に確認することが、それらの者の中で指定学科を卒業している者がいないかどうかということです。

指定学科とは、専任技術者になるための資格として、国土交通省が定めた学科を卒業していると、実務経験期間が短くなるというものです。
たとえば、高校、中学等で建築学等の業種に対応する指定学科を卒業していると、実務経験期間が5年。
これが高等専門学校や大学であれば実務経験期間が3年となります。
実務経験期間が3年となると、非常にハードルが下がりますので、10年では無理だった業者様も3年なら大丈夫だったというような例もよくあります。
どの業種がどの学科に対応するかというのは、法律によって定められていますので、あらかじめ確認しておく必要があります。

指定学科の確認
指定学科には、土木工学や建築学、都市工学など、業種によって、該当する学科が決められています。
取得したい業種と、該当する学科が一致していれば問題ありません。
ところが、世の中にはたくさんの学校があり、また学科名も一般的な名称を用いているものから特殊な名称を用いている学校も多くあります。
該当しそうな学科なのだけれど、本当に該当するかどうかわからない、というようなことは実はよくあります。

この場合、建設業の実務経験の短縮に該当する学科であるかどうかの判断は、すべて国土交通省が行っています。
都道府県等の知事許可であっても、指定学科に該当するかどうかは都道府県から国土交通省に対して照会が行われて、最終判断を仰ぐ形になっているようです。
ですので、我々の仕事としては、その学科が指定学科に該当するかどうかわからないといった場合は、直接国土交通省に問い合わせることで返事をもらうことが可能です。

指定学科に該当するかどうかというのは、実際に許可取得が可能かどうかが分かれる部分でもあることが多いですので、判断が難しい学科の場合は、あらかじめ国土交通省に問い合わせをしておくのがよいでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

2022年9月30日 N様ご執筆(大阪会)

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