古物商許可申請に関わる業務を行う際の注意点とは?

行政書士は、「古物商の許可を取りたい」というご相談を受けることがあります。「古物商許可」は、リサイクルショップ等を営む場合に必要な資格です。ここでは、古物商の許可申請の流れや注意点などについてご説明します。

■古物商とは?
古物商とは、中古品を売買したり、交換したりすることを商いとしている業者です。

「古物」と聞くと、既に使用した商品だけというイメージですが、法的には「一度使用された物品、若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたもの」と定義されています。つまり、一度も使われていない商品であっても、購入した未開封の物も古物ということになります。

最近では、スマホ等で中古品を売買することがありますが、自分の持ち物を売買する場合には、法的な意味での「古物商」には該当しませんので、「古物商」の許可は不要です。

■古物商許可申請の流れ
クライアントから、「古物商の許可を申請したい」という相談を受けたら、まず法人として申請するのか、個人として申請するのかを確認します。それによって、準備する書類が異なるからです。

次に、古物商を営む予定の住所を管轄する警察署のホームページから、「古物営業関係申請・届出添付書類一覧(古物商・古物市場主)」を探し、必要な書類をクライアントに伝えます。

提出書類には、「送信元識別符号使用権限疎明資料」等、馴染みのない書類が含まれていますので、クライアントにその内容について説明を行い、準備してもらう必要があります。

提出書類が揃ったら、手数料を預かり、管轄の警察署に持参します。但し、内容の確認等に1時間程度かかりますので、予め電話をして、担当者が空いている日時を確認した方が良いでしょう。

書類に不備がなければ、1、2ヶ月程度で、「古物商」が許可されますので、申請した窓口に「許可証」を受け取りに行きます。もし不備があれば申請代理人(行政書士)に連絡が来ますので、どの書類のどの箇所に不備があるのか、何の書類が不足しているのか確認し、クライアントに連絡した上で対応します。

■申請の注意点とは?
一般的な営業許可申請書類は、都道府県庁や市区町村役場等の行政機関に提出します。但し、古物商は、盗品を転売する等の温床になりやすいため、警察署の生活安全課等が担当しています。従って、申請書、添付書類については、特に厳密に審査されることを予めクライアントに伝える必要があります。

また、許可申請書交付の際に、警察署から営業に関する諸注意があります。この際に、代理人である行政書士だけでなく、クライアントにも来てもらうように要請されます。これは、代理人にだけであれば、申請者に注意事項が十分伝わらないためです。従って、必ずクライアントに同席してもらうようにしましょう。

■まとめ
古物商の許可は、多くの種類の中古品販売が可能となりますから、審査は厳密に行われます。準備に時間がかかる資料もありますが、当該許可の重要性をクライアントに十分説明し、理解を得る必要があります。

 

2022年6月11日 I様ご執筆(福岡会)

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