自動車抵当権は行政書士業務

こんにちは。

今回は、自動車抵当権について解説します。

不動産抵当権と自動車抵当権

抵当権といえば、一般的には不動産につく抵当権のことを指します。
民法では、不動産について抵当権が設定できることを定めています。
ですが、実は民法以外に自動車抵当法という法律があり、自動車にも抵当権を設定することができるのです。
抵当権とは、金銭消費貸借などの契約をするときに、担保として抵当権を設定することで、他の債権者に先立って被担保債権から優先的に弁済を受けることができる権利です。
よく行われるのは、土地建物を購入するときに金融機関から住宅ローンを借りるにあたって抵当権が設定される場合です。
この抵当権設定を実は自動車に対しても行うことができ、これを自動車抵当権といいます。


自動車抵当権は行政書士業務

土地建物の抵当権は、登記をすることで効力が発生します。
不動産登記は、法務局に申請しますので司法書士の業務範囲となります。
ですが、自動車抵当権は、陸運局に申請提出する書類となりますので、行政書士業務の範囲となります。
抵当権としての意味や効力は不動産の場合と同じなのですが、管轄する省庁が異なり、代理人として申請することができるのは司法書士ではなく行政書士となるのです。


自動車抵当権の申請

自動車抵当権を設定するためには、債権者と債務者による金銭消費貸借契約書と抵当権設定契約書が必要となります。
金銭消費貸借契約書は、お金の貸し借りをした証拠としての契約書です。
抵当権設定契約書は、現在の残金に対して抵当権を設定するための契約書です。
現在の残金が抵当権設定契約書の債権額となり、この債権額から自動車抵当権を設定する際の登録免許税額が計算されます。
管轄は陸運局となり、自動車の車検証等に記載されている使用の本拠の位置の住所地を管轄する陸運支局に申請することになります。
不動産抵当権の場合、毎日のように申請が行われているメジャーな手続きですが、自動車抵当権は申請件数自体がそれほど多くありません。
ですので、もし手続き等を行う場合は、管轄の陸運支局に確認を行いながら手続きを進めていくのがいいでしょう。

自動車抵当権の確認

自動車抵当権が設定されているかどうかの確認は、自動車の登録事項等証明書を取得することで確認することができます。
登録事項等証明書の備考欄に現在事項として、抵当権が設定されていることが記載されている場合、抵当権の効力があります。
登録事項等証明書は、自動車の使用の本拠の位置の住所に関わらず全国どこの陸運支局でも取得可能となっています。
手続き終了後は必ず登録事項等証明書を取得し、きちんと抵当権が設定されているか確認するようにしましょう。

以上、自動車抵当権について解説いたしました。
最後までお読みいただきありがとうございました。

 

2022年12月28日 N様ご執筆(大阪会)

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