店舗開店で必要になる用途変更手続(建築確認申請)について解説

建物の使用目的を変更するとき、その目的と規模によっては、用途変手続(建築確認申請)が必要なことがあります。どのようなケースで用途変更手続が必要なのか、そしてその手続はどのように進めればいいのか解説をしていきましょう。

用途変更手続(建築確認申請)が必要なケース
用途変更手続とは、建築確認申請の一種で、次の2つ要件の両方に該当する場合に必要になります。

(1) 特殊建築物に用途変更をする(類似の用途への変更を除く)
(2) 用途変更をする部分の面積が200平方メートルを超えている

特殊建築物とは
特殊建築物とは、次のような用途に属するものをいいます(抜粋)。

(1) 劇場、映画館、集会場、保育所、老人福祉施設、障害者支援施設
(2) 病院、診療所(入院施設があるもの)、ホテル、旅館、アパート、図書館
(3) 学校、体育館
(4) デパート、スーパーマーケット、展示場、飲食店、物販店、カラオケ店
(5) 倉庫
(6) 自動車車庫、自動車修理工場

例えば、次のように建物の用途を変更する場合、建築確認申請が必要になります。

● テナントビル内の事務所を改装して250平方メートルのカフェを営業する
● 印刷工場の機械を撤去して、500平方メートルのリサイクルショップを営業する
● スーパーマーケットを改装して300平方メートルの集会場にする

工事の有無とは無関係
建築確認申請というと、工事が伴うものが対象だと考えがちですが、用途変更の場合、必ずしも工事が伴うわけではありません。例えば、倉庫だった建物でリサイクルショップを開店する場合は、室内に陳列棚やハンガーを搬入するだけで営業が開始できます。このように工事を伴わない用途変更も、要件に該当すれば建築確認申請が必要です。

用途変更手続(建築確認申請)の方法
用途変更に関する建築確認申請の方法について説明をしていきましょう。

受付先
建築確認申請書の受付先は、自治体(概ね人口10万人以上の市)の建築主事、または民間の指定確認検査機関です。

申請手数料
申請手数料は、面積が大きくなるほど、手数料も上がります。

価格は自由に定められるので、自治体や指定確認検査機関が、それぞれ独自に手数料を設定しています。そのため、具体的に示すことはできませんが、1,000平方メートル以下の規模であれば、5万円~10万円が相場です。

自治体よりも指定確認検査機関の方が安い傾向にあります。

申請に必要な書類
申請に際しては、次のような書類、図面等を添付します。

● 確認申請書
● 委任状
● 建築計画概要書
● 店舗計画図
● 求積図
● 仕上げ表
● 建物の新築時の確認済証
● 建物の最終工事時の検査済証
● 消防適合証明書
● 既存図面(確認申請図、竣工図など)

審査の期間
法律で定められた標準処理期間は35日間です。

自治体よりも指定確認検査機関の方が早く審査が完了する傾向にあります。

用途変更手続は行政書士の業務
用途変更手続をする建築確認申請は、建築士の独占業務と考えている方も多いのですが、法的には、行政書士が行える業務です。

行政書士は、権利義務に関する書類の作成を行えます(行政書士法1条の2、1条の3)。建築確認申請業務もこの範囲に含まれます。建築士が建築確認申請を行えるのは、建築士法で「建築物の建築に関する法令の規定に基づく手続の代理を行うことができる(21条)」と規定されているからです。

建築士の独占業務とされているのは、一定規模以上の「設計」です(建築士法3条、3条の2、3条の3)。しかし用途変更は、基本的に柱、梁、屋根、土台などの主要構造部を維持したままの内装工事であり、面積も高さも変更がないため、法でいう「設計」には該当しません。

したがって、用途変更手続は、行政書士に申請代理を依頼することで、目的を達成することができます。

インテリアデザイナー・内装業者は代理申請NG
用途変更に関しては、インテリアデザイナーや内装業者に相談するケースが多くあります。もちろん、集客に効果的な店舗の仕上げを目指す場合、こうした専門家に依頼することは適切です。

ただし、こうした工事関係者が建築確認申請の代理業務を行うことはできません。建築士事務所を開設していないかぎり、代理人として建築確認申請を行えば、法令違反となり罰則の対象になります。

用途変更で手続が必要な場合は、適法に業務を遂行できる行政書士にご依頼ください。

 

2023年3月13日 T様ご執筆(滋賀会)

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